もう何度訪問しただろうか・・・・・何度見ても飽きの来ないクスノキと言っても良いであろう。
もう20年ほど前に初めて見た際には、ただただ樹冠の大きさばかりが興味を惹いたが、訪れる度に新しい発見のあるクスである。
1988年の頃には幹周も実測13.9mであったのだが、2010年には14.4mにまで成長している。
ひと頃は樹勢の衰えが見え始めたとの声も聞いたが、ここ最近の10年に限って言わせてもらえば、樹勢は回復傾向に転じたと断言しても良さそうである。
それを裏づけるように樹冠は来る度に生長しているようであるし、大きな横枝に付く葉の量も、見る度に増加しているように感じられてならないのだ。
長年にわたってクスノキを治療してきた効果もあるだろうし、市街地にありながらも、周囲には建物を建てずに環境を守り続けている努力も実っていそうである。
樹形からすると、本来あるべき主幹らしい幹が上部には見あたらない。多分古い時代に災害によって失われたのであろうが、それを補うべく横枝が成長し、ここまで雄大な樹冠を作り上げたのであろう。まさに奇跡の産物とでも言えそうな樹形である。
樹冠の広さでは山口県「川棚クスの森」、熊本県「寂心さんの大クス」、そして本樹の3本が優劣付けがたい大きさを誇るだろうか。
幹の太さにおいては最大クラスのものには一歩劣ってしまうが、それを補って余りある樹冠の素晴らしさだ。
吉野川に沿ってクスの巨樹が多数存在するが、その中でも加茂の大クスは大将格の風格を有している。
四国三郎の氾濫という過酷な戦いを何度も勝ち抜いてきた証を太い幹に刻み込み、現代を生きる者に力と勇気を与えてくれる、かけがえのない存在であろう。
四国ではこのクスと「杉の大杉」、この両巨頭は全国的に見ても飛び抜けた存在であろう。